これは事典を銘打ってるだけに、圧巻です。
正直、本書を手にする前はボサノヴァだけで191アーティスト?って思ってしまいましたし、手にしてからもこの人ボサノヴァ?って思う人も含まれてましたけど、でもボサノヴァという軸では外せない人達が集められるのはさすが〜と首肯けるもので、納得です。
事典なので、アーティストのファーストネームでアルファベット順に並べられてるんですが、1コラム1アルバムという形ですのでTom Jobimだと16コラム(16アルバム)紹介されてたりしますけど、短いコラムがなかなか秀逸で、アーティストの紹介からアルバムの内容までうまく網羅されていて、内容もさすがです。
個人的に面白かったのは巻頭・巻末のコラムで、ボサノヴァとは何だったのかという疑問についてきちんと触れているのもさすがですね。(残念ながら、今のブラジルでは、ボサノヴァはほぼ姿形ないのは事実。そもそも、ブラジル人が過去の音楽的遺産や自国の音楽文化の素晴らしさに気付いているのかさえ疑問を感じてしまう... というのは言い過ぎですかね。)
これだけの本が絶版になってしまっているのは、いろんな事情があるとは思うんですが残念です。私もこの本の存在を知ってから1年近くでたまたま中古本を見つける事ができたんですが、倍までは行ってませんがそれに近い値段で買ったんで、あまり賢い買い方とは言えないものの、この内容なので後悔はしてません。でも、広くこの本が読めるような環境があると、ボサノヴァへの理解も変わってくるような気がしますね。
とはいえ、定価であっても、この値段だととても気軽には買えませんので、やはり厳しいのかもしれません。
でも、まったく何も地図のない状態で知らないところを歩くような状態よりは、少しでも頼れるものがあったほうがいいわけで、この手の本は私は非常に参考にさせてもらってますし、体系的に音楽を捉えて行くことも理解を深めるという意味では大いに意義があると思ってますので、願わくば再発してもらいたいですね。素晴らしいです。

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